2013年7月6日土曜日

梅雨

それにしてもよく降る雨は緑を鮮やかにする。

カイはすっかり元気になり、
よく食べ、よく笑い、よく吠え、よく眠る。

カイの顔より大きくなったキノコはサルが味見?
散歩道には
小豆大の蛙が、日に日に少しずつ大きくなって私たちの前を横切る。

庭のユリも少しずつ色づいて・・
もうじき太陽に向かって咲くのだろう。

今日も有明山にかかる低い雲。
でもこのどんよりした灰色と、田んぼの鮮やかな緑のコントラストがとても好き。
雨だけでなく、
いろんなものが天と地で創りだされている感じがする。


空には時々、
そしてダムサイドではよく虹がかかる。
雨あがりの目を見張るような世界の美しさ・・
それは、梅雨の楽しみ。

2013年6月8日土曜日

いのち(2)


3週間ぶりに博多から戻ったら、安曇野はすっかり初夏。
緑に覆われている。

留守の間、木曽で愛情をたっぷり受けて元気を取り戻したカイと夜明けの散歩。


「日輪」、・・3つの「虹彩」、「サンピラー」・・
虹のように見えるひかりの輪は、

「この世」と「あの世」
「意識」と「無意識」
「見えるもの」と「見えないもの」・・
いろんなものの架け橋のようで、
それでいて「輪」となって「ひとつに」巡っているようで・・
太陽と空の「メッセージ」のようなパフォーマンスに、しばし見とれていた。


コトバを必要としないカイ、
コトバを失くしかけた父、
この1か月、ことばではないところで
ことばを超えたところで伝わってくる「なにか」を感じながら過ごした。
「いのち」そのものが訴えてくる世界。

たぶん一番大切にしたいもの・・

コトバになっていかないそれは、
私にも何なのかわからないけれど、
日の出を見ながら「それ」が大きくなってゆくのを感じた。


陽が昇り、
それでも、目に見えるように空に広がりゆく太陽の「輪」と、
田んぼの水から広がる「水紋」、
心のふかいところ、静かなところに降りてて行ったとき、
眼を開いて、見えるものはメッセージに満ちている。


2013年5月8日水曜日

いのち



あまりにも透明で 清涼な空気の中に
本格的な春の陽射しが差し込む


天と地との境がなくなって・・
あるいは見えないけど
天に昇る道が地上からあるような気がした。
ほんとうに。

もし私にも寿命が来たら、
こんなに心地い日に、
その道をとおってあちらの世界に逝きたいなあと思った。


カイの様子がおかしくて
最期をを覚悟した。


くるくると廻っては倒れて意識が混濁している感じだった。

カイの一番好きな場所、
カイの大好きな人たちがいるところ、
そこで看取ってあげたいと思った。


ずっと 私の詫びや感謝をききながら

その陽射しの中で
みんなの声を聴きながら、
手当てを受けながら、
愛情に包まれながら、
カイは何を感じていたのだろう。


「いのち」の力はすごい。


起き上がるようになり、
よろめきながらも歩く意志をみせはじめ、
ご飯を食べ、
排泄をし、
眠る。

日に日に元気になってきた。


カイは体を張って、
今回も 私にいろんなことを教えてくれようとしている。



歩けるようになって、

山桜が咲き始めた御嶽山の麓から
山桜が散り終えようとしている有明の山麓へ戻ったら、
家の周りは 土からも枝からも 時間で目に見えるほどの、「芽吹き」。
春を待っていた「いのち」の次々に溢れだしてくる力。



田んぼにも水が張られて、
一気に夏へと向かおうとしている。


時間は今までの倍はかかるけど、
カイは、散歩できるまでになり、
また同じ有明山をこうして一緒に眺められるようになった。



「もう逝くつもりなら逝ってもいいんだよ。
でもそうじゃないなら、また一緒に散歩していろんなものを見よう。」
・・って、あの陽射しの中、撫でながらずっと語りかけていた夢は叶い・・・

・・・考えてみると、

こうして私自身も、あたりまえのように歩き、食べ、寝て・・
好きな人と 好きな場所に住み、
これはもう いつかの自分の「夢」を、
「今」という時間で 常に 生きているのだと思う。
感謝しつつ・・。

2013年4月29日月曜日

ひかり



目途のつかない作業に溜息しながら
帰り道に浴びる
眩しいくらいの月の光

月は、常念の雪の稜線くっきり浮かび上がらせ、
吐く息をのみこませる。


そして朝のひかり。





日々
芽吹いてゆく木々は
夕の日に射されて
点描画のよう



混乱する頭
迷い、不安・・の心にも差し込んでくる。


2013年4月25日木曜日

うまれる・・・
「創世記」とか「宇宙」とか見たことはないし、
コトバでしかわからないのだけど・・


火入れして6日目の窯ののぞき穴から見たものは、
そんな世界を垣間見せてくれた。
はじめて体験するような「異次元」。






松川村の平林さんの「昇窯」。

炎のいろ、音、熱・・
そしてそれがかもしだしているもの・・
土と木と火・・
作品をつくる平林さんが窯に入れたあとは、
土の、木の・・窯の中へ運ばれるまでそれに関わった人たちの想いと、
自然が織りなしてゆくコラボレーシォン・・・


そんなことを考えながら
1200度にもなってきた炎をつつみこむ、
それ自体が 生きているような、
あたたかい「窯」の横で、

澄んだ朝の空気に響く、
木を割る音、積む音、炎の中ではぜる音、
とても
心地良く、
しずかな・・
こころの奥にある湖にでも佇んでいるような、
神聖な時間を過ごさせてもらった。


12分に一回薪をくべるのだそう。
あと2日かけて窯の後ろの方まで温度を安定させてゆくらしい。


徹夜で火の番をして、
「今が一番いい時」と、とてもいいお顔でおっしゃる平林さん。
この ときへの、感謝や愛情が、
この窯 みたいに、
じわじわと全身から伝わってくる。

「自分が最初に体験した感動をみんなにわかちあいたい。」
と、今年は約2週間後の窯出しも公開で行われる。




積みあげられた薪の向こうは
りんごの花が、もうつぼんでいる。




桃はまだ咲いているものの、
桜が散り、
田んぼの季節もいよいよ始まり、
いよいよ本格的な「春」がやってきた。






2013年4月21日日曜日

なごり雪

ドカッと きた。

この不思議な静けさは・・
朝、障子を開けると、また冬の景色に戻っている。



庭のもみじの新芽は 真紅。
一瞬 秋からまた冬に突入したような錯覚に陥る。


有明神社をカイと散歩。
満開を過ぎた桜に雪が積もり、
雪の塊がドサッと落ちると、
続いて花びらがハラハラ舞い落ちる。





春の雪の重みに
しなりながらも 太陽を待つ草花。

きっとこの後は本格的な「春」がやってくる。


2013年4月19日金曜日

森の中へ


人のまだ入らない
冬の気配の
静かな木々の中にいると

いかに
日常
自分の想念の
あるいは他人の想念の中に
生きているのか 
気づかされる。



どっしりと
しずかに
余計なものは一切なく


ただ 流れていく

時間も
風も



冬季閉鎖していた「中房線」も今日の正午から開通するらしい。

山、森、木々・・自然への想いを抱きつつ、
時に傷つけ、汚し
いろんなものを背負ってやってくる私たち人間を
今年も森はそっと受け止めてくれている。




2013年4月14日日曜日

さくら

「春は名のみの・・」
という歌詞通り、

桜は開花しても、
また冷たい風がやってきて、
冬の名残を花びらの上にのせてゆく。




それでも
すこしずつ 冬は春の勢いに押しのけられて
日に日に

・・と、いうより
日差しが強いときは
朝昼夕で目に見えるほど
芽吹きで
枝から、土から、いのちが、
色が あらゆるところから吹き出し始めている。



・・・それなのに

ここ数日
目の腫れがひどく、瞼を閉じても痛いほど。
そして春の「いろ」も
心の奥まで入ってこない感じだった。

痛みや不安は
日常に差し障りながら、

一方で
「この症状の原因は・・
心の中の何を見ないようにしているんだろう」
漠然と考えてもいた。


桜見にも行けずにいたら、
友人が差し入れてくれたお料理。
そして
お見舞いに頂いた、
てづくり花瓶付のさくら・・


人と人とのかかわりと
仕事の緊張の後
ゆったり
白い花びらに励まされたような、
この春初めて「さくら」に出会えた気がした。


私と世界をつなぐ「窓」

見たくないものも「見る」勇気と、
それでも美しいこの世界の色が
より鮮やかに
見えるよう願う。



2013年4月7日日曜日

御御堂


そこに座っていると、
「海の深いところ」に潜っているときみたい。


息が深くなって・・
身体も重力から解放されたように自由になって・・・
ふかい静けさに潜(はい)ってゆく


繰り返す雑念と
心地よさのはざまで
時折訪れる心の奥深くにある絶対的な安心感。




私はどの宗教に属しているわけではないけれど、
宗教、宗派には関係なく、
人間の心の奥底には「祈り」の世界があって、
それは深いところで一つにつながっているように思う。



鎌倉の修道院で久しぶりに再会したシスター。
この方との出逢いは、
自分の中の新しい扉をいくつも開いてくれた。
出会いは、また次の思いがけない出会いを創ってきた。


今またその螺旋のループが
ひろがり、深まってゆくのを感じる。
「祈り」のなかで。




横須賀は春爛漫。
主人の実家は花桃が満開。

突然の春の日差しに
溶け込んでしまったかのように
カイは
一足早い「春」を吸収していた。



安曇野に戻ると、
家の周りの
桜の蕾もちらほらほころび始めている。



どこにいても、
深く目を閉じれば、
感じられる、
こころの奥深くにある
私自身の「御御堂」
改めて原点に返った時間だった。





2013年3月18日月曜日

アルプスおろし



今日も激しい風の音で、夜中に目が覚める。
山から下りてくる春の風は、
アカマツの長い幹を大きくしならせ、
時にその枝をも折って飛ばす。



日中、融けた雪の替りに降ってくるのは、
枝、松ぼっくり・・
あたり一面フィトンチットというのか、森の匂いに包まれる。
雪の下に積もっていた去年の枯葉も飛ばされて宙を舞う。



雪が吸収していた川の音は
一気に水かさとともに音を増す。
シジュウカラのさえずりも賑やかになってきた。



まだまだ油断はできないのだけど、
あ~、ようやく冬が終わる。

春がやってきたのだと、
カイは、土の匂いを嗅いで回り、飛び跳ねまわる散歩の後は、
太陽をお布団にして深く寝入っている。






2013年3月7日木曜日

雪融け

池田の日当たりのいいところはもう春が来たかと錯覚するような陽気。




朝日も昇る場所も時間も、
日に日に変わってゆくのを、
春が近づいているのを、感じる。

うちの周りも、朝の冷え込みはまだまだ厳しいけれど、
もう厳冬期の冷え込みとは違う。


有明山が大きく感じる。
茜色にそれ自体が春色に萌えだしたみたいに。



散歩道・・・
久しぶりに土を見て感動・・・
カイは掘って春の匂いを嗅ぎ、
身体にくつけてまわる。

家に戻ると・・・


まだまだうちは雪に埋もれてる。
シャーベット状に解けた雪が、朝また凍りついて
私もカイも滑りながら・・・
少しづつかんじる「春」を待ちわびる。