うまれる・・・
「創世記」とか「宇宙」とか見たことはないし、
コトバでしかわからないのだけど・・
火入れして6日目の窯ののぞき穴から見たものは、
そんな世界を垣間見せてくれた。
はじめて体験するような「異次元」。
松川村の平林さんの「昇窯」。
炎のいろ、音、熱・・
そしてそれがかもしだしているもの・・
土と木と火・・
作品をつくる平林さんが窯に入れたあとは、
土の、木の・・窯の中へ運ばれるまでそれに関わった人たちの想いと、
自然が織りなしてゆくコラボレーシォン・・・
そんなことを考えながら
1200度にもなってきた炎をつつみこむ、
それ自体が 生きているような、
あたたかい「窯」の横で、
澄んだ朝の空気に響く、
木を割る音、積む音、炎の中ではぜる音、
とても
心地良く、
しずかな・・
こころの奥にある湖にでも佇んでいるような、
神聖な時間を過ごさせてもらった。
12分に一回薪をくべるのだそう。
あと2日かけて窯の後ろの方まで温度を安定させてゆくらしい。
徹夜で火の番をして、
「今が一番いい時」と、とてもいいお顔でおっしゃる平林さん。
この ときへの、感謝や愛情が、
この窯 みたいに、
じわじわと全身から伝わってくる。
「自分が最初に体験した感動をみんなにわかちあいたい。」
と、今年は約2週間後の窯出しも公開で行われる。
積みあげられた薪の向こうは
りんごの花が、もうつぼんでいる。
桃はまだ咲いているものの、
桜が散り、
田んぼの季節もいよいよ始まり、
いよいよ本格的な「春」がやってきた。