この家で過ごした、初めての冬は、
あまりの寒さに心身凍りついてしまった。
当時マイナス20度はざらだった「開田高原」の冬や、
標高2000m近くの「車山」での冬、
八甲田の山の中での、雪に閉ざされた冬・・・
「雪」の世界で冬を越してきたけれど、
私の、それまでの「冬」で、一番厳しく寒かった。
もともと避暑向きに建てられていたこの家。
・・今年は、二人で4度目の冬。
夫が家の防寒を少しづつ整えてくれて、
通気口が工夫され、床が上がり、ストーブが替り、
障子や、絨毯・・あたたかさを逃さないよう工夫を重ねて・・
全く生活のスタイルが違っていた私たちも、
感情をぶつけあったり、話し合ったりしながら、
「家」の中と同じように、
こころのなかにも
互いにとって心地の良いくつろげる場所を
創ってきたのだと思う。
相変わらず、外は寒い冬、
でも、
今は、このうちの、
この薪ストーブの前が、
どこよりも
あたたかくて
平和で
安らげる場所。
仕事の中で、日常生活の中で、
こころに中に湧いてくる「不安」「怒り」「かなしみ」・・・
「よろこび」も然り。
言葉にになってゆくものも、ゆかないものも、
ここで一緒にくつろいでいると・・・、
薪がぱちぱちとはじける音以外は、
いろんな音を吸収してしまう「雪」に包まれて
一つの感情に流されずに、
この「しづけさ」に
こころの奥深くの穏やかな場所に、
立ち返ることができる気がする。
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