2012年5月27日日曜日

樹木たち


土曜日、烏川渓谷緑地 森林エリアで行われた「からすの学校」に参加。

講師の馬場 多久男氏から、
「アカマツ林の林床植生と地位指数の関係について」の講義をうけたあと、
彼の著書「葉でわかる樹木」(信濃毎日新聞社)を持って野外へ。

葉っぱを見たらまずは、「葉の縁はわかれているか、いないか」で分類。
そして、わかれていないときは、「葉にギザギザがあるかないか」・・


「側脈の先端が葉縁に届くかどうか」
「葉は互生か対生か」
・・・・
見分けにくいものがあるときは、葉をひっくり返して、ルーペで毛の状態を見る。


エリア内の遊歩道は、自然の状態を保ちながら、
観察・歩きやすいように整備されている。
新緑の木漏れ日が、葉っぱも、影も揺らしながら通り過ぎる。


皆さん、本当に熱心に、図鑑と葉っぱと木々をにらめっこ。
樹木の種類は多く、見分けるにも、だんだん頭は許容量を超えてゆく。
鳥の声、クマよけの音、子どもたちの声・・


1本の木がここで芽吹くのに、どんだけの条件とタイミングが揃ったんだろう。
まして、他の木でなく、その木がそこで何十年も大きく育って行けるには。
樹木の名前は、そう簡単には覚えられそうにもないけど、
一本、一本、すべて違う、
この地、この場所だけに育まれた、ひとつひとつの「いのち」。

葉っぱひとつでも、こんなに多様な植物の世界をあらためて垣間見させてもらった。


右が今回使用された本。
彼が退官するとき、信大の学生に知識を残せたらという思いで作られていて、
とてもわかりやすかった。

左は明日発売の「いっしょに探そう 野山の花たち」
花を色別に分けており、幼稚園でも写真をカードにしてその「わかりやすさ」を実証したという。
「子どもはすごい!」と編著者である講師は、感嘆しておられた。


講義が終わって、
黄色い花を「これ?どれ?」と悩む大人の私・・
そうか、葉の形からして「「ミツバツチグリ」なのか・・

講師は見かねてか「これはどう?これはすぐわかるよ!」
って紫の野草を持ってきてくれた。
そうそう、さっき足元に咲いていた。
可愛くて、毎年覚えては・・忘れる・・・。

写真にそって引くと、「ムラサキケマン」! 「白もあるんだ!」
「でしょでしょ?!」て嬉しそうな講師、一緒に感激する昨日であった人たち・・

こうやって誰かとの思い出でがまざったとき、
花や木の「名前」も、
自分のものとして、覚えてゆける気がする。


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