主人は古いものが好きだ。
結婚当初、家の中には、古い箪笥や机、糸車、織機・・いろんなものが溢れていた。
古い手づくりのものは、あじがあって私も好きだけど、
生かされずごちゃこちゃあるのは重苦しくて、
必要な人に引き取ってもらったりして
今はずいぶん整理されてきた。
主人の先輩が、お母さんの使ってた桐箪笥を使わないか、と連絡をくれた。
もう置き場所がないよなあ・・と話していたものの、
「使わなきゃ、燃やしちゃう」という言葉に、
「それは箪笥がかわいそう!」と、私たちに火がついて見せてもらいに行く。
信州の家は、蔵が大きい。
冬が長いことも理由の一つにあるのだろう。
歴史の古いそちらのお宅も、風情ある大きな蔵は2階建てで、十分住めるスペースがある。
梁に書かれている先祖の名前・・・
100年前とは近いような、遠いような・・・
そして箪笥がうちにやってきた。
尊敬する山岳写真家・「田淵行男」さんの縁で知り合った先輩でもあり、
田淵氏がその敷地に住んでいた時にもあった箪笥なんだ、と主人は大変な喜びよう。
磨き上げ、ひまし油を塗り(私のマッサージ用だったのだが)、補修作業。
一本も鉄の釘が使われておらず、木でつくられた釘が打ちこんである。
壊れたところは、ちょうど木の釘と爪楊枝が同じサイズで代用。
鍛冶屋さんなどほとんど見ない現代、すべてが職人の手づくり。
今のような「使い捨て」の感覚などなかった、
「大事に」ものと使っていた、生かすことが当たり前であっただろう時代に触れる。
結局、玄関先を整理したら、見事ジャストサイズで収まった。
大事に使わせていただきたい。
先日は初物のスイカありがとう。祖母の箪笥を処分しようと思ったのですが、蘇ったとすれば天国で祖母はよろこんでいると思います。
返信削除こちらこそ!
返信削除お母様でなく、おばあ様だったのですね。失礼しました。甦った箪笥を見に来てくださいね!
我が家も先祖代々から伝わる桐箪笥があります。
返信削除きれいにして、着物などが入っています!
やっぱりいいよね~
ぜひその着物を着付けて披露してくださいまし!
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