こんな時は散歩!
道路から少し入れば、そこは自然のなか・・
意識まで連れて、狭く暗いところに沈んでいきそうな心身は、
全く別の風に洗われて、しゃっきりと本来のところへ戻ってくる。
自然の力はすごいと思う。
博多にいるとき、それは私にとって「海」だったけど、
ここではそれは、「木々」そして「沢」。
昨日、映画「祝り島(ほうりのしま)」を見た。
コタツだんらんツアーと銘打たれた「出前上映会」。
商業ベースの波に乗らない映画館がどんどんなくなっていく現在、
本当に見たい映画、見せたい映画・・小規模でも、「映画」という一つの媒体を通して、
顔の見える範囲でつながっていく。
本来の姿かもしれない。、
これからの時代の一つのヒントだなと思う。
映画はとてもよかった。
山口県、瀬戸内海に浮かぶ小さな島。
いつか、飛行機の窓から、ハートの形がかわいくて、写真を撮ったことがある。
対岸4キロのところに、原発建設計画が持ち上がったのが、約30年前。
28年間反対し続けている、祝島に住む人たちの日常を、
笑いあり涙ありで、
ほのぼのと、
でもずっしりと胸にくる、島のひとの「ことば」を
美しい風景に包み込んで、
ドキュメンタリーとして撮っている。
「わしらの代で海は売れん。」
海と山に恩恵を受けて、大きくなって、生きてきたこと、
次の代に残していかなければいけないこと、
身の丈を知ること、
彼らにとっては、わざわざ、口にするほどのことでない、当たり前のことなのだろうが、
それぞれが、その人間にしか発っせない言葉で語る。
自分を育ててくれたの島の自然を守るために、
この女性監督を通して、何かを伝えるために。
何年も前、施設建設の是非を問う投票の時、
「あんたたちは金だけじゃろが・・。」とつぶやいた女性。
「自分たちは命を懸けて反対しとる。
あんたたちは命を懸けて賛成しとるのか?」と訴えた男性。
福島の原発の事故が起きた今となって、この言葉の重さは大きくのしかかる。
「誰かに言われたからじゃなく、本気で(島を守ろうと)やっているから、28年続いとる。
みんなそうだと思う。」
「人と人の関係が壊れてしまった心の傷が一番つらい。
それはこの土地にいきてたものにしかわからん。
賛成の人も反対の人も、両方傷ついた。でも、人間だから心の奥はみんな同じだと思う。
いつか元に戻れるといい・・。」
映画を通して、静かに、でも正面から、私たちに何を選択するべきかを問われている気がした。
祝島(いわいしま)は山口県の島の名前だけど、
ホントは日本列島が、
いや、地球そのものが、ほうりのしま、
私たちは、大自然のなかで、
生活している場所の上に
その一部として生かされている。
他の生き物たちとともに。
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