私の通った小学校には、校門を入ってすぐのところに藤棚があった。
毎年花の咲く初夏が来ると、全校生徒がクラスごとに出し物をして、
他の生徒や、保護者が藤棚の下で観劇をする習わしがあった。
OBたちも見に来ていた記憶がある。
秋には、花も終わり、スカスカになった同じ棚の下で、中秋の名月、
月見会が行われた。
何年生の時だったか忘れたけど、
私もギリシア神話の中の神様の一人という設定で、
シーツを頭だけくり抜いて、腰をひもで巻いてとめたような恰好をして
藤棚より一段高い舞台、つまり運動場なのだけどに立って、
少ない台詞を発したことを覚えている。
衣装を着て人前に立つ、
緊張と、ちょっと誇らしげな気持ち、よろこび、
そして心地よい初夏の風・・
先日、近くのお寺の満開の藤を見た時に、ふと蘇えった。
それからしばらくたっても藤の匂いと、とその頃の自分の気持ちの余韻が残っている。
先生や友人たちとのたくさんの思い出の中には、何処にも季節感がさりげなく織込まれている。
学ぶよろこび、
表現してゆくよろこび、
今の自分の土台になっている多くのものは、
あの小中学校で、愛情いっぱいの中で、育まれたものかもしれないなあ・・・、と、
「玄界灘に渡る風」に思いを馳せている。
深い紫色・・・
返信削除しびれます!
久しぶりに見に行ってみようかな~