確かに昨日まで、遠目からは枯れ木のように見えた山麓線沿いの梅の木々は、一気に色づいた。
里の桜はほころんで、午後には景色が変わってしまって驚いた。
草抜きに通っているお宅の杏の花も開いた。
春がやって来た。
隣の大町へ。
鹿島槍の獅子は少し溶けて太って見える。
山も、今日は人を寄せ付けない厳しい表情は消え、
急に春山になった感じだ。
山岳博物館の付属園
ここでは傷ついたり、病気になったり、何かの原因で野生に戻れない動物たちを保護し、飼育している。数は少ないけど、どの動物にも名前が付けられ、特徴が書かれ、一匹一匹がとても大切にされているのがわかる。
動物園では、時々、檻に入れられた動物の死んだような目にあって悲しい気持ちになることもあるが、ここの動物はどこか人懐っこく、ちかく感じる。
そうなるまでに時間や愛情がたくさんかかっているのだろうし、今日は特に暖かいので、皆くつろぎモードだったのかもしれないが。
カモシカの、澄んだまなざし(ま、じっと見つめるのが鹿の特徴だけど)、角、ひずめ、の美しさ・・
ほれぼれ見入ってしまった。
西丸震也記念館へ久々に立ち寄る。
居矢里高原のハナノキの開花はまだ少し早い、と店主に聞いて今日はやめにした。
20年前の西丸氏の講演の録音を聴かせてくれたが、
あの震災を、直接ではないにせよ体験した今は、言葉がよりリアルに頭でなく、身体に響いてくる。
ここではようやく庭先のフキノトウが開きかけていて、わずかの距離でも安曇野との寒暖の差を感じたが、
日当たりのよい窓越しにはアゲハの幼虫が今か今かと「とき」を待っていた。
店主も「あれ?飛んじゃったかなあ・・」と見間違うほど、葉っぱより葉っぱっぽい・・。
そしてさなぎから蝶へ・・
こんな大変化、人間だったらびっくりですよね。
でもそのくらいの大変化を、本来の思春期の心は遂げるんだと
故・河合隼雄さんはおっしゃってました。
店主が特別にアトリエも案内してくださいました。
ふすまに書かれたその絵はとても懐かしく、ちょっとおっかなく・・
「土みたいですね」と言ったら「サンドアートです」と言われてしまった。
まさに原始感覚・・
この著名な作家さんのことも、アートの世界もよく知らないけど、
とても「いい!」空間だった。
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